自分のギターアンプを取り込める? KEMPERのプロファイリング機能使ってみました

KEMPERのプロファイリングを本格的に試してみました。使ったアンプやキャビ等の機材は以下のものを使用しています。

 

■アンプ

 Marshall 1987X

 Mesaboogie TRIAIXS 50/50

 EVH 5150Ⅲ(50W)

■キャビ

 PLAYTECH V30+Greenback入りの2キャビ

 Revera サイレントシスター(サイレントボックス)EV EVM12L入り

■マイク

 Shure SM57

 AUDIX i5

 AKG414XL-2

■マイクプリ

 API 512C

 NEVE1073LB

 

これらの組み合わせで色々とプロファイリングしてみて感じたことを少々。

 

■キャビネットの違い

異なった構造の2種類のキャビネットで実験。

ひとつめは密閉型のサイレントシスター。このキャビはランドール ISOLATION 12Cみたいな密閉型の12インチ一発の作りです。ランドールとの違いは完全な密閉ではないこと。筐体の下側に音を逃す機構となっていて、音の飽和感を緩和させています。

実際にプロファイリングした印象は、思っていたよりも特徴的なこもりが強調され、輪郭がちょっとぼやけてしまったこと。

そしてマイクの位置はどこに置いても大体同じような録音結果となってしまいます。なので音作りの自由度といった点ではあまりありません。その分ブレがないともいえます。

 

ふたつめはプレイテックの2キャビ。こちらはセレッションのVintage30 2発入りだったのを片方をGreenbackに変えています。先ほど作ったサイレントシスターのrigファイルと比べると音質がまったくの別物。高域がより突き抜けてくれて全体的に攻撃的な音色。抜けのよさや音作りのしやすさでは圧倒的にこちらが有利でした。

 

■音量の違い

音量の違いでどれだけの差が出るか気になりますが、マイク録音時と同様、ある程度の音量を出さないと張りのある音が録れません。スタジオと家とではここで大きな差がつくことになりますね。つまり自宅でのプロファイルではKEMPERの性能を十分に発揮してくれないことになります。

 

■マイクのセッティングについて

マイクのセッティングも同様で、レコーディング時のマイク位置がそのまま反映されます。1回録ったら完了とならないわけでして、ベストな音を作るため泥沼にはまる危険性を秘めています。まぁそれが楽しいともいえるわけですが。。

 

 ■音量レベルの調整について

普段はDAWを介して録音しているため、レベルメーターで視覚的につかめていましたが、KEMPERのプロファイリング時はDAWを介さないためKEMPERや周辺機器で判断することになります。ここがちょっとわかりづらかったですね。

あまり音量が高すぎたり低すぎたりするとエラーとなってプロファイルが失敗してしまうので、適切な設定が必要となるわけですが、どれくらいのレベルで録るのがいいのかはいまいちピンときません。この辺は次回要検証です。

 

■アンプの種類

試したアンプの中でTRIAXISはあまり期待してませんでしたが、思った以上に色々な音が録れて楽しかったです。ダイナミックボイスやMIDの設定は割と重要と感じました。

逆にピンとこなかったのはMarshall 1987X。どうも歪み量や音圧感がいまいち物足りなかったです。他のアンプが歪んでいるので余計そう感じたのかも。

5150ⅢはTRIAXISよりも過激に歪ませることができますが、その分ノイズ成分も増えてしまいプロファイル途中でエラーとなってしまいます。間にノイズリダクションを噛ませる必要あり。チャンネル3は突き刺さる高域と歪みが得られたのですが。概ねプリセットの同モデルと似た傾向は感じました。無理に自分でプロファイルしなくても十分でした。

全体的な感想として低域が若干損なわれる傾向を感じますが(ローカットはしていない状態)この点はマイクを通した音だからそうなったのでしょう。セッティングを厳密に詰めたわけではないので、ここももう少し試行錯誤してみる必要あり。

 

■マイクの種類

やはり定番のSM57はすばらしいですね。AKG 414XL-2でも録ってみたのですが、なぜか異質なノイズが混入したり音が全く別物になったりで上手くいきませんでした。特に感じたのはプロファイル後の音を磨く作業でのこと。ボタンを押して試奏することで補正するのですが、この時に異質な音に補正されて使い物にならなくなりました。

あまり時間がなかったので原因を特定できないまま。結局、今回のプロファイルには使用していません。AUDIX i5はSM57よりもローが出てバランスがよく録れますね。他にもゼンハイザーのe606とかシャキッと録れて面白い。

でもやっぱりSM57が一番ギターらしい部分が出てて楽。他にはリボンマイクとかも興味があるけど、プリセットで使用しているのを聴く限りはちょっと暖かみが強調されすぎて苦手な感じ。

 

■まとめ

今回は主にレコーディングにおける基本的なセッティングがどの程度活用できるかの実験となりました。結果は思っていた以上に反映されることがわかり、子供騙しのおもちゃではないことがわかりました。

プロファイルをメインに考えている人は、現在のレコーディング環境で満足できる音が録音できているかが肝となるでしょう。敷居は高いと思いますが、やりがいは強く感じることでしょう。

まぁ有料無料問わず無数のRIGファイルが公開されていますので、それを利用するだけでも十分堪能できます。しかも手の届きそうもないモデルが多数なので、結局は他人のプロファイルをメインとすることになりそうです。

 

■帰宅後の再確認

その後自宅に持ち帰り、作成したばかりのRIGファイルを本格的に比較してみました。再生環境がKEMPER本体のヘッドフォン端子からFIREFACE800に変わったことにより、印象が大きくかわることになりました。

プリセットの秀逸なキャビネットモデルを差し替えたりして音の差を確認すると、プリセットに入っているキャビネットは音圧感が高く派手目な傾向に対し、今回取得したPLAYTECHの2キャビはちょっと物足りなさを感じました。でも派手さでは劣るものの、設定値を色々といじって補正することにより十分使えるレベルにはなります。

 

アンプのモデリング部分に関しては、サイレントシスターで記録したものの方がしっかりと録れてて好みでした。2キャビに比べてアンプのボリュームを上げることができたのがよかったのでしょう。パワーアンプが十分駆動した結果が反映され、よりガッツのある音になっていました。こうしてみると、やはりある程度の音量を出さないことにはアンプの本領を発揮しないみたいですね。

 

■キャビネットの差異について

PLAYTECHとサイレントシスターの差異は予想以上に大きかったです。マイク録りした時はそこまで変わらないと感じていたのだが、こうしてRIGファイル化して交互に比べると圧倒的にPLAYTECHの方が自然でした。

サイレントシスターはキャビ鳴りの癖が乗ってしまってモコモコする印象が強く、鼻詰まりな抜けの悪い音が強調されます。それ以外にAXETRACKも持っていましたが、この結果を見て試す必要がなくなりました。マイク録り時で満足いかなかったわけですからそれ以上に失望する結果となっていたことでしょう。

 

■Marshal意外とよかった

最初の印象でいまいちピンとこなかったMarshall 1987Xのデータですが、キャビネット部分を見直すことにより思い描いていた通りの音が出せるようになりました。この結果を踏まえ、ボリューム位置を変え再度プロファイルしたいですね。こうしてみるとやはりKEMPERのプロファイル機能は秀逸なんだと感じます。

 

■外部エフェクターを使ってみる

次に持て余し気味だったEPブースターをKEMPERに繋ぎ、音の変化を確認。クリーン系のサウンドだと音割れに注意する必要がありますが、アンプに繋いだ時のように思ったとおりのブーストができていることを確認。エフェクターの個性が十分に反映されていることから、今後他のエフェクターも含めた音作りも楽しみですね。

 

■試しに録音してみる

実際どのような音が録れるかを確かめるため録音にも使ってみました。結果はいうまでもなく最高。POD-XTやAmpitubeとは雲泥の差で、そのまま加工しなくてもマイク録りと変わらない質感で録れています。リアルアンプで苦労していたノイズもKEMPERでは全く気にならないレベル。

プロファイルさえきちんと準備できていれば、いつでもその時のコンディションを保てるわけで、実家に帰って別録りせずとも自宅で存分に録音できるようになりました。音作りの幅もKEMPERの方が融通が利くため、当分はこれ1台で全てが賄えることになります。

プロファイル機能のおかげでアンプ群も2次利用できてお得感は強いです。

 

以上、思っていた以上にプロファイリング機能が秀逸なことがわかり、ますます色々な音をプロファイルしたくなってしまいました。そういう意味ではプレイヤーよりもエンジニア寄りの機材なんだなぁと実感。